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花粉症について
小児科担当・千葉智子です。春の訪れを感じる季節となりました。ある日、とてもいい天気でしたので、ベランダでプランターいじりをしていると・・
目のかゆみ、くしゃみ、鼻閉・・・ここのところ、鼻がスッキリした感触は味わっていません。。。そうです、私も花粉症なのです。花粉症の有病率は上昇し、低年齢化もみられ、もはや国民病ともいえる状況です。花粉症の有病率増加には、色んな理由がいわれています。
①スギ花粉の増加:戦後に大量に植林されたスギが開花適齢期を迎えたことと、地球温暖化の影響により、スギ花粉の飛散量が増加しています。
②排気ガス・大気汚染:排気ガスなどで汚染された大気中の多くの微粒子が抗体を産生しやすくし、花粉症の発症を促進します。また、舗装道路の増加に伴い一度地面に落ちた花粉が再び舞い散ることも原因として考えられます。
③食環境の変化・不規則な生活リズム:高タンパクや高脂肪の食生活、不規則でストレスの多い生活も、アレルギーを起こしやすくしています。
④住宅環境の変化:住宅やオフィスの近代化に伴い通気性が減ったため、ダニ・カビの温床をつくり、アレルギーを起こしやすくしています。花粉症では、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなど鼻の症状が長く続くため、生活の質(QOL)は低下します。鼻づまりによる口呼吸のために、のどの渇きや痛み・かゆみ、頭痛を訴えることもあります。その他、不眠、授業中の居眠り、イライラ感、全身倦怠感や集中力の低下など学業への影響が出ることもあります。
スギ花粉は2月頃から5月上旬ころまで例年飛散がみられ、今週も多く飛んでいますし、この今週の花粉予想をみても、1週間を通して、かなり多量の飛散が見込まれます。日常生活の中で可能な花粉対策としては、マスク、花粉メガネ、ツルツル素材の衣類、帰宅後の洗顔・うがい、屋外への洗濯物干しを避ける、などです。そのような対策をしているにも関わらず、つらい症状のある場合は、内服(抗アレルギー薬や漢方など)や点眼薬、点鼻薬などにより、症状の緩和を図り、QOLの改善を目指すことが目下の目標となります。起きている症状に対策をすること(対症療法)は以上のことで可能ですが、「花粉症を治す」というのは、できないのでしょうか。
アレルゲン免疫療法として、当院ではシダキュアの舌下免疫療法を行えるようになりました。アレルギーの原因(アレルゲン)を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、長期にわたって症状をおさえたり、症状をやわらげたりできます。推奨治療年数は3年で、1か月ごとの定期的な受診が必要となります。長期間、正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、治療終了後も長期にわたり症状をおさえること、または症状が完全におさえられない場合でも、症状をやわらげ、おくすりの使用量を減らすことも期待できます。ただ、アレルゲンを直接投与することから、服用後にアレルギー反応がおこるおそれがあり、まれに強いアレルギー症状が発現するおそれがあります。そのようなことがないよう、初回投与は当院2階の外来で30分の経過観察を行っていただきます。説明などの準備もありますので、ご希望の方は受付窓口または電話にて予約をいただきますので、ご協力をお願いいたします。少しでも症状がやわらぎ、スッキリした毎日が送りたいものですね♪
カテゴリー:1.クリニック情報 , 4.小児科 2019年03月24日