運動器リハビリテーション
当院の整形外科、リハビリテーション部門では、平成31年4月より運動器リハビリテーション(1)の施設基準を取得し、これまでより一層、運動器リハビリテーションに力をいれています。「できるだけ薬や注射に頼らずに治したい」という思いで、スタッフ一同リハビリテーションに取り組んでいます。
薬や注射でその場の痛みをとることも、症状がつらく、日常生活に支障が出ている場合や夜寝られないほどのものであれば、仕方ないと思いますが、薬や注射によって、本来の原因である姿勢不良や筋力低下などが改善するわけではないからです。
運動器リハビリテーションとは運動器疾患を持つ人々に対して運動療法(ストレッチや筋力強化など)や物理療法、装具療法などを用いて、身体機能や生活、就労上の問題等の改善を図っていくものです。
運動器に関する主な疾患としては、骨折、変形性関節症、腰痛や頚部痛、肩こり、肩痛、肘痛、足痛、スポーツ障害などがありますが、それらは仕事や日常生活、スポーツ動作を困難にし、私たちの生活の質(QOL)を低下させる大きな一因となります。
当院では、医師の指示のもと、リハビリテーションの専門職である理学療法士が、患者様の評価を行い、個々に適した治療プランを立てて、運動プログラム(ストレッチ、筋力トレーニング、姿勢指導など)を提供いたします。
当院の運動器リハビリテーションの基本方針
◎地域に根差し、患者さん一人一人の暮らしを支えるリハビリテーションを提供する
◎心身ともに活動性の高い生活を送れるようサポートする
◎スタッフ一人一人が自己研鑽に努め、常に質の向上を目指す
当院では国家資格を保有した理学療法士が、からだの状態を評価し、一人一人に合わせたプログラムを作成・実施しております。
からだの痛み、動きの不調に対し、原因を評価し、原因を評価し、適切な運動・徒手療法、生活指導を行います。中でも最新機器シンクロウェーブ・レッドコード・パワープレート・トータルボディを用いた運動プログラムも併用していきます。また、個々の症状に応じて、電気治療、超音波、ウォーターベッド等の物理療法機器も加えて、患者様の健康増進の手助けを行います。
理学療法士による姿勢・運動指導
人の身体は生活習慣や、運動習慣により、姿勢・運動とともにパターン化されていきます。姿勢不良の状態のままでいると、筋肉が過度に緊張して炎症物質が溜まりやすくなり、腰痛や首の痛み、肩こりなどの原因となっていってしまうのです。
当院では担当の理学療法士が患者さん1人1人の身体を評価し、各々に合った運動、セルフケア方法を指導いたします。
いつまでも健康でいきいきと過ごすために
運動療法はリハビリテーションのメインテーマです。
年を重ねる度に心配となるのは健康のことです。いつまでも人の世話にならず自立して生活したいというのが、誰しもの願いです。
これまでの数々の研究から、運動を毎日継続している人の方が、認知症になりづらく、「要支援」や「要介護」になりにくいということがわかってきました。
運動療法によって心肺機能や筋力だけでなく血液学的バランスも改善するため、動脈硬化の予防や、脳卒中の発生を低下させることができます。2型糖尿病の発生を抑え、ある種の癌の発生率を抑えることも証明されました。
たとえ90歳以上の高齢者でも運動療法によって、筋量やバランス力の向上、認知機能の改善が見込まれることもわかっています。足腰が弱ってきたと感じている方、運動習慣の無い方はぜひ当院に御相談下さい。
また、現在は健康であると思われている方でも将来に備えた適切な運動療法を提案させていただきます。
どうぞ当院のリハビリテーションを御利用下さい。
◆リハビリテーションが有効と考えられる症状や疾患
【疾患】
頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板症、腰椎すべり症、脊椎側弯症、変形性膝関節症、足底筋膜炎、骨折術後、神経麻痺、神経損傷
【症状】
肩こり、頸部痛、腰痛、筋力低下、歩行不安定、バランス力低下、肥満、持久力低下
骨の損傷や腱・靭帯などの軟部組織の損傷は、怪我や事故などの急性外傷によって生じることもあれば、慢性の障害として発症してくることもあります。
スポーツや怪我や事故などで傷めた運動器を早期に回復させよう
骨の損傷や腱・靭帯などの軟部組織の損傷は、怪我や事故などの急性外傷によって生じることもあれば、慢性の障害として発症してくることもあります。 これらの治療においては、安静のみが最善の選択肢ではなく、いかに早く関節の動きや筋力を回復させるかということが重視されます。
ここに大きなリハビリテーションの役割があります。科学的に証明され、安全で確実な手法によって回復を図ります。
◆リハビリテーションが有効な傷害や病態
上肢や下肢の骨折に対する手術後、骨折や脱臼に対して施行されたギプスなどの固定後、捻挫や靭帯損傷後の筋力低下予防、交通事故後の頸部痛・腰痛、関節の柔軟性の向上、バランス力の向上など
運動を行うことで骨密度を高めよう
骨粗しょう症は骨が脆くなって骨折しやすい状態になった状態をいいます。進行した場合、腰椎や大腿骨の骨折を起こしやすくなり、やがては寝たきりの原因になることさえあります。
骨粗しょう症の治療は飲み薬や注射だけではありません。体をしっかり動かすこと、そしてバランスよく食事をとること。この2つと併用することで、骨は効率よく作られていくのです。
当院の運動器リハビリテーションでは、筋力をつけることとともに、骨量やバランス力をしっかりつけることにも力をいれています。
みなさまの「転倒しない体作り」のお手伝いができれば幸いです。
パワープレート 健康保険適応
◆3次元加速度トレーニングマシン
整形外科疾患の治療、リハビリテーション、健康増進など幅広く利用できます。
当院では運動器リハビリテーションの中で、治療手段の1つとして用いています。
期待される効果
- ストレッチ・マッサージ効果
- 高齢者の転倒予防・体力向上
- 筋力の向上
- 姿勢の改善、バランスの改善
- 痛みの軽減
- 肉離れ、腱鞘炎治療
- セルライトの減少
- 減量(体重減)
- 骨密度の増加
- 血流増加、心臓血管系機能改善
- 柔軟性や可動域の改善に効果
◆プレート上で筋肉を緊張・伸長・リラックス◆
上下・左右・前後あらゆる方向から正確な振動を同時に発生させたプレートに乗ることで、短時間で効果的なトレーニングを可能にします。お気軽にお問い合わせください。
レッドコード 保険適応可能
令和3年1月25日よりレッドコードという機械を2台導入しました。パワープレートなどと同じく運動器リハビリテーションの一環として用いる機械になります。
主な特徴は3つあり、「免荷作用」・「適度な不安定性」・「第3の手の役割」です。
【免荷作用】
身体全体もしくは身体の一部を吊るします。
【適度な不安定性】
身体を吊るすことで不安定な状態(=動かしやすい状態)にします。
【第3の手の役割】
身体の一部をレッドコードに持ってもらう分、セラピストの手がフリーになり他部位を診ることができます。
また、しっかりと駆使するには【作用・反作用】という物理学の知識が必要です。その理論を用いて、各関節部に【圧縮力】・【牽引力】を加えながら、その患者様の身体機能を評価・治療していきます。
使用していくことで、姿勢の変化や関節運動時に働く筋肉が変わり、各筋の緊張が軽減するなど様々な反応がみられます。
もちろん感じ方、効果効能に個人差はありますので、患者さんの反応をみつつ、施術に活かしてまいります。
ご興味ある方やご希望の方は診察時に医師にお気軽にご相談ください。
シンクロウェーブ 保険適応可能
令和3年10月より導入した機械です。外見は従来の腰の牽引器に似ていますが、全く異なる機械です。
理想的な体幹の姿勢とは、生理的な弯曲した背骨を筋肉で支える「筋性支持」の状態です。これは筋による柔軟性と支持性の両方を兼ね備えた状態になります。
一方、体力低下等により筋力が衰えると、背骨の姿勢を骨で支える「骨性支持」へと変化します。骨性支持状態になると背骨の弯曲運動に異常が生じ、疼痛や筋出力の抑制が起こります。この背骨の弯曲運動の正常化をはかるのが、Spine Dynamics(SD)療法であり、姿勢制御機構の正常化につながるのです。
このシンクロウェーブで下肢からの刺激を加えることにより、三次元的な背骨の動きを誘発して、体幹だけではなく、上下肢の関節周囲、特に肩関節、股関節の筋緊張を連鎖的に緩めていくことができます。
より細かな説明につきましては医師、スタッフにお声がけください。
体力が低下した方でも無理なく安全に運動が行えますが、仰向けになれない方、身長が140㎝以下の方などではシンクロウェーブの適応にならない場合がございますので、ご承知おきください。
トータルボディPro2 健康保険適応
◆1台で全身運動が可能!
整形外科疾患の治療、リハビリテーション、健康増進など幅広く利用できます。上半身用エクササイザーと下半身用リカンベント・バイクを組み合わせた、1台で全身のワークアウトができるマシンです。体幹トレーニングと心肺機能トレーニングの両方をこなします。こちらもパワープレート同様、運動器リハビリテーションの一環として行います。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
期待される効果
- ストレッチ効果
- 高齢者の体力、持久力向上
- 上下肢・体幹の筋力の向上
- 肩、膝関節の痛みの軽減
- 骨密度の増加
- 血流増加、心臓血管系機能改善
- 柔軟性や関節可動域の改善に効果