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日本脳炎ワクチンに関して

こんにちは、看護師Cです。以前に虫刺され(蚊)についてのお話をしましたが、今回は蚊によって運ばれる感染症である日本脳炎と、日本脳炎の予防接種についてのお話です。

●日本脳炎ってどんな病気?
日本脳炎は日本脳炎ウイルスに感染した蚊(コガタアカイエカ)に刺されてうつる感染症です。日本脳炎ウイルスは、ブタなどの動物の体内で増殖し、そのブタを刺した蚊が人を刺すことでウイルスが伝播します。人から人へ感染することはありません。蚊の活動が活発になる夏から秋にかけては注意が必要です。
日本脳炎ワクチンの接種により日本では日本脳炎の発症を大幅に減らす事ができました。しかしながら、5年前には千葉県で生後10ヵ月のお子さんの発症がありました。日本脳炎ウイルスを持った蚊は毎年発生しており、国内でも感染の機会はなくなっていないのです。
患者さんは関東地方から西日本地方に多く見られますが、今後は温暖化の影響によりコガタアカイエカの生息域が広がる可能性もあるといわれています。 また、日本以外でも、東南アジア、インド、ネパール、中国、朝鮮半島などを中心に毎年患者さんが多数出ており、海外渡航の際には注意が必要です。

●主な症状
日本脳炎ウイルスは感染してもほとんどの人は症状がなく、気づかない程度で済んでしまいます。しかし、100~1000人に1人程度が脳炎を発症します。蚊に刺されてから7~10日間後に、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状を示すのです。発症すると約20~40%の人が亡くなり、命をとりとめても、神経の後遺症(脳の障害)を残す可能性が高い病気です。

 

●日本脳炎にかからないようにするために
・日本脳炎ワクチンを受けましう。予防にはワクチン接種が有効です。実際、日本脳炎にかかった方のほとんどが予防接種を受けていなかったことが判明しています。
・虫よけ剤や、蚊取り機を使用する。
・日本脳炎ウイルスを媒介するコガタアカイエカは、昼間は水田や雑草の茂みなどに潜み、日没後に活動が活発になります。そのため、夏季の夜間の外出を控える、蚊が屋内に侵入しないように夜間の窓や戸の開閉を少なくするなどの対策も有効でしょう。

●ワクチン接種の効果
日本脳炎の罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されています。

●ワクチンはいつ? 何回接種すればいいの?
日本脳炎ワクチンを計4回接種します。
<第1期>
・対象年齢は生後6ヵ月から7歳6ヵ月未満(90ヵ月未満)です。
・標準的には3歳時に2回(1~4週の間隔をあける)、その1年後に1回の計3回接種します。感染リスクの高い場所では6ヵ月からの接種が推奨されております。
<第2期>
・9歳以上13歳未満(標準的には9歳)で1回接種します。
☆最初から数えて計4回の接種になります。

※ 以前、古いタイプの日本脳炎ワクチン接種後に急性散在性脳脊髄炎という病気になった事例があったことをきっかけに、2005年から2009年まで(平成17年~平成21年まで)日本脳炎の予防接種の積極的勧奨を差し控えていました。その後、より安全な新たなワクチンが開発され、現在では日本脳炎の予防接種を通常通り受けられるようになっています。
このため、1995~2006年度(平成7~18年度)に生まれた方は、2005~2009年度(平成17~21年度)に日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃していることがあります。

●日本脳炎特例措置
2005(平成17)年から2009(平成21)年までの日本脳炎の予防接種の積極的勧奨の差し控えにより、接種の機会を逃し、日本脳炎の予防接種(第1期3回+第2期1回の計4回)が完了していない1995(平成7)年4月2日から2007(平成19)年4月1日までに生まれた方で、接種を見合わせた方については、特例措置があります。通常の定期接種の期間にかかわらず、20歳未満であれば、接種していない回数分を定期接種として受けられます。

※ 特例措置の対象など、詳細につきましてはお住いの市区町村にお問い合わせいただくか、当院にご相談ください。

●ワクチンの副反応
接種したところが赤くはれる、発熱等の症状が見られることがあります。重いアレルギー反応、けいれん、急性散在性脳脊髄炎などの重い副反応が見られることもありますが、極めて稀です。接種後は様子をよく観察しましょう。

 

★母子手帳を確認してみましょう★
とくに、現時点で中学生以上のお子さんは特例措置の対象の年齢に当たります。日本脳炎の予防接種が済んでいない場合は、蚊の活動がより活発になる夏本番を迎える前に予防接種を受けておくと安心ですね。